東京慈恵会医科大学 泌尿器科

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泌尿器科疾患について

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男性不妊症

1.男性不妊症とは

世界保健機構(WHO)の基準では、"不妊とは、避妊をせずに通常の性行為を行っているカップルが1年間、妊娠しない状態"と定義しています。また、正常な夫婦が避妊せずに通常の夫婦生活を行っていると、約90%のカップルが1年以内に妊娠するといわれています。したがって結婚後、妊娠を希望しているにも関わらず避妊せずに1年以上妊娠がない場合には不妊症の検査を受けることをお勧めします。
 不妊症の原因(図1)は、女性側にのみ原因があるものが41%、男性側にのみ原因があるもが24%、両方に原因があるものが24%、原因不明が11%と考えられています。つまり、原因の約50%は男性因子が関わっているのが現状です。妊娠の成立と同様に不妊治療には夫婦間の協力が不可欠であり、夫婦そろっての受診、検査が必要です。

 当科では主に男性側の原因がないかどうかの診察・検査・治療を行っています。また、当病院の産婦人科と連携して不妊症カップルに対する医療サービスの提供に努めております。

【図1】不妊症の原因 男女割合 【図2】精液検査基準値
精液量 1.5ml以上
PH 7.2以上
精子濃度 1,500×104個/ml以上
総精子数 3,900×104個以上
精子運動率 32%以上
正常形態率 4%以上
白血球数 100×104個/ml以下

2.診療の流れ

男性不妊症の原因は多岐にわたるので、原因を明らかにするために当科では次の検査を行い、スクリーニングの上で総合的に診断します。

  • ①問診表の記入:過去の病気や治療歴をアンケート形式で記入していただきます。
  • ②身体の診察:精巣の大きさや、精液を作る前立腺・精嚢の直腸診をします。
  • ③精液の検査:精液の量、精子の濃度・運動率・奇形率などを調べます。
  • ④内分泌検査:精子を作るために必要なホルモンに異常がないか検査します。
  • ⑤その他:①~④の所見により、超音波検査、染色体検査、精管造影などを追加します。

3.男性不妊症の分類

男性不妊症は次のように分類できます。

  • ①精子の異常

    WHOで定められた精液検査の基準値(図2)より精液の所見が悪い状態です。薬物療法を中心に治療していきます。場合によって生殖医療を併用することもあります。

  • ②精路の異常

    精巣上体炎などの原因で精子の通り道に通過障害が起こって精巣で造られた精子が射出できない状態です。

  • ③射精の異常

    勃起不全や、勃起はできても腟内射精が困難な状態です。薬物療法やカウンセリングなどが必要になります。

4.当科で行っている治療

  • ①薬物療法(漢方療法、ホルモン療法など)
  • ②精索静脈瘤低位結紮術
  • ③腹腔鏡下精索静脈瘤高位結紮術
  • ④精巣内精子採取術( microdissection TESE : testicular sperm extraction )

※手術は、1泊2日から3泊4日程度の入院で行います。

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