東京慈恵会医科大学 泌尿器科

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泌尿器科疾患について

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女性ヘルスケア

1.間質性膀胱炎

間質性膀胱炎とは膀胱の粘膜が薄くなったり、剥離したりすることによって、膀胱に慢性的な炎症が起こり、尿が近くなったり、出血したり、重症な方では膀胱内に潰瘍(Hunner潰瘍)ができたりする原因不明の疾患です。診断法も治療法も今のところ確立してはおりませんが、間質性膀胱炎疑いの患者さんが最近増加しているのではないかと危惧されております(人口10万人に約4600人)。また、膀胱炎を繰り返しやすい女性に多いといわれております(女性:男性=1.5:1)。われわれはこの難治性の疾患に対して、客観的な診断法を確立すべく、患者さんの膀胱組織をさまざまな免疫染色法を用いて精査しております。また、従来の治療法である薬物療法や手術(膀胱水圧拡張)に加え、新規の治療法の探求も行っております。間質性膀胱炎疑いのある方は是非一度ご相談ください。

間質性膀胱炎の質問票はこちら

(6点以上:間質性膀胱炎の疑い)

2.女性の尿失禁

しばしば女性に認められる尿失禁は、尿道が原因と考えられる「腹圧性尿失禁(約50%)と膀胱が原因と考えられる「切迫性尿失禁(約10%)の2つに大きく分類されます。また、両者が混合している場合(約40%)もしばしばあります。一般に、軽症な尿失禁に対しては外来で骨盤底筋体操の個別指導を行います。また、切迫性尿失禁に対しては薬物療法が有効です。一方、重症な腹圧性尿失禁に対してはメッシュ(テープ)を用いた手術を行っております。メッシュの両端を恥骨上に出すTVT(Trans-Vaginal Tape)法と閉鎖孔に出すTOT(Trans-Obturator Tape)法がありますが、どちらの手術も経腟的に短時間(15-30分)で終わる低侵襲な手術法です。尿失禁でお悩みの方は是非一度ご相談ください。

3.骨盤臓器脱

骨盤臓器脱とは

骨盤の中にある膀胱・子宮・直腸などの臓器が腟内に落ち込む病気で、脱出している臓器によって、膀胱瘤(ぼうこうりゅう)・子宮脱(しきゅうだつ)・直腸瘤(ちょくちょうりゅう)と呼びます。骨盤内の臓器を支える筋肉・筋膜・靭帯などが加齢・出産・肥満などで弱くなるためにおこり、女性に多い病気です。症状は骨盤の痛みや不快感・排尿困難・排便困難などです。

(膀胱は黄色、子宮はピンク色、直腸は茶色)

正常
子宮脱
膀胱瘤
直腸瘤
骨盤臓器脱の治療法

手術以外の治療法として、骨盤底筋体操や腟内リング(ペッサリー)挿入などの方法がありますが、しっかりと治すためには手術しかありません。現在行われている手術法として、膣壁からメッシュを挿入する経膣式メッシュ固定術と腹腔鏡を用いてお腹からメッシュを挿入する腹腔鏡下メッシュ固定術があります。どちらの手術法も従来の方法に比べて治療成績は良好といわれておりますが、メッシュを用いた骨盤臓器脱の手術法は比較的新しいため、その危険性を十分ご理解ください。

経膣式メッシュ固定術(TVM)とは

膀胱瘤に対しては前腟壁を切開し、メッシュを膀胱と腟の間に留置します。直腸瘤に対しては後腟壁を切開し、メッシュを直腸と膣の間に留置します。子宮脱に対しては膣の前後にメッシュを留置するか、子宮そのものを膣から摘出します。また、膀胱瘤・子宮脱・直腸瘤はしばしば同時におきますので、それぞれの病状により使用するメッシュの範囲が異なってきます。

膀胱瘤に対する前膣壁メッシュ固定術(メッシュは青色)

直腸瘤に対する後膣壁メッシュ固定術(メッシュは青色)

腹腔鏡下メッシュ固定術(LSC)とは

図のようにカメラや鉗子を入れる入口(ポート)を作成します。次に、子宮と両側の卵巣を摘出した後、腹腔内より膀胱と腟、直腸と膣の間にそれぞれメッシュを留置します。このメッシュを頭側に引っ張って、脊椎の前面に固定します。したがって、子宮と卵巣を摘出した方がメッシュをしっかりと引っ張ることが出来ますが、必ずしも子宮と卵巣をとらなければいけない訳ではありません。この手術は子宮脱や子宮摘出後の膣断端脱に対して通常行われます。

腹膣鏡手術の傷
子宮脱に対する腹腔鏡下メッシュ固定術

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